【岩手日報/論説】教科書検定、近隣諸国条項を事実上撤回…教育を政治の手の内に置く発想、ナショナリズムは教育と認め難い
来春から使われる中学校教科書の検定では、社会科で政府見解の明記などを求めた新検定基準が初適用され、6件の意見が付いた。下村博文文科相は「政府見解は政治の状況や都合によってつくられるものではなく、政権が変わって急に変わることは想定していない」とコメントしている。はたして、そう言い切れるだろうか。終盤国会の焦点である安全保障法制の再整備は、現政権が集団的自衛権に関する従来の政府見解を見直し、行使容認を是とした昨年夏の閣議決定が土台にある。