【避難所】ジョジョの奇妙な冒険スターダストシューターズ
687:国境なき名無しさん2015/02/06(金) 03:25:08 ID:g1xhr6YB0 [sage] AAS
一般家庭の便所から糞尿を汲み取って買い上げ、それを農家に肥料として売ってわずかな口銭を得る…そんな商売が成り立っていた頃のお話。
主人公の彦太郎は糞尿汲み取り業の経営者。家運が傾いた豪農の息子である彼はトラックを購入するなどして近代的な事業としての肥え汲み業を始めます。
しかし事業は思うようにいかず、山林田畑は抵当に入り、同業者との諍いや町内の政治的な対立になどに頭を悩ますことが多い。
対立部落の人間から「ほれ見い、糞男が行くぞ」などと揶揄されもします。しかし「事業を守るため」いかなる卑屈も甘受し、町の顔役からの資金的な援助を取り付けてどうにか商売を続けていました。
前出の引用はそんな彦太郎がある日見た夢の描写で、彼の鬱屈した心情を表すかのようです。
さて、彦太郎が我慢に我慢を重ねていたのは、近い将来この事業が市営となり、その暁には相当の額で買収されるであろう、という目論見があるからでした。
そして遂に市営化が決定するのですが…買収額の大半を途中で出資した顔役とその婿に持っていかれることに…。
失意の彦太郎が肥料として売り物にならない糞尿を捨てようと、市が指定した捨場にトラックでやってくると、以前から因縁のあった部落の男達がおり、
罵りながら土砂をぶっかけるなど激しく抵抗します。遂にぶちキレた彦太郎、糞壷から柄杓で糞尿をすくい絶叫しながら振り撒き始める!逃げ惑う男達!!

柄杓ひしゃくから飛び出す糞尿は敵を追い払うとともに、彦太郎の頭上からも雨のごとく散乱した。
自分の身体を塗りながら、ものともせず、
彦太郎は次第に湧きあがって来る勝利の気魄にうたれ、憑かれたるもののごとく、糞尿に濡れた唇を動かして絶叫しだした。
貴様たち、貴様たち、負けはしないぞ、もう負けはしないぞ、誰でも彼でも恐ろしいことはないぞ、
俺は今までどうしてあんなに弱虫で卑屈だったのか、誰でも来い、誰でも来い。彦太郎は初めて知った自分の力に対する信頼のため、次第に胸のふくれ上がって来るのを感じた。
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