【コラム】新型万能細胞に関する画期的研究から考える、日本の官製イノベーション思想の是非
理化学研究所の研究チームが、酸性の刺激を与えるだけの簡単な方法で、あらゆる細胞に分化できる万能細胞の作成に成功した。従来の常識を覆す快挙といえるが、この事例は、画期的な研究というものは事前に予測することができないというイノベーションの本質をよくあらわしている。日本では事前に有望な分野を絞り込み、集中的に予算を投入すれば高い成果が得られるという認識が強く、特定分野を支援する政策が主流となっている(ターゲティング・ポリシー)。