【京都】龍安寺石庭の謎 中世賤民の芸術を想像
大学生の頃の筆者は、ヒマがあれば龍安寺(京都市右京区・臨済宗妙心寺派)の石庭の前で坐(すわ)ることにしていました。それも京都独特の底冷えがする厳寒期、足指を凍えさせての鑑賞が好きでした。世界文化遺産(1994年)に登録されてからは観光客が激増、もはやゆっくり坐ることもままなりませんが。文学青年だった当時も、そして今も、筆者は作家・中国文学者の故・高橋和巳のファンで、その高橋が雑誌『近代文学』(1961年3~4月)に書いた「逸脱の論理」(後に河出文庫に収載)の文章に影響されました。