【演劇】繁栄と引き換えに失ったものを静かに問う「私たちのあり方」 劇団チョコレートケーキ「60’sエレジー」 東京・新宿御苑
戦後日本の転換期となった1960年代以降に衰退する家内工業を見つめた哀歌だ。作・古川健、演出・日澤雄介による1年半ぶりの新作。昭和35年、蚊帳(かや)工場を営む清(西尾友樹)と悦子(佐藤みゆき)の夫婦は、中卒の“金の卵”、修三(足立英)を住み込み従業員に迎える。勉強が好きな修三を夫婦は進学させるが、取引先の社員(浅井伸治)から発注を減らされ続け、人員削減を余儀なくされる。