【将棋】藤井聡太との対局で“下座”に座った“人格者”谷川浩司、永世名人の矜持に感動広がる
「名人位を1年間、預からせていただきます」。この言葉は1983年6月、当時の加藤一二三名人から史上最年少で名人位を奪った際に谷川浩司九段(58・当時は八段)が取材に答えた時の名言だ。神戸市出身の礼儀正しい21歳のニュースターの聡明かつ謙虚な言葉は、将棋関係者や取材者はもとより、国民を感動させた。「光速の寄せ」を武器とした谷川がその後、タイトル通算49期、四冠王、永世(十七世)名人資格など、戦後の将棋史に残る大棋士となったことは周知だが、生真面目で謙虚な人格はその頃から変わっていない。