あっという間の上映終了に原作者が「なんで?」長谷川博己×綾瀬はるか出演映画「はい、泳げません」はなぜヒットしなかったのか
ノンフィクション作家 高橋秀実
このたび拙著『はい、泳げません』(新潮文庫)が映画化された。同書は水恐怖症の私が水泳教室に通い、鬼のように厳しいコーチから指導を受け、「なぜ泳がなければいけないのか?」「泳ぐとは何か?」などと疑問を抱きながら、泳ぎを習得していくノンフィクション。全編水中の様子を綴った実録であり、ストーリーとしては「泳げない私が泳げるようになった」という展開しかないのだが、渡辺謙作監督はこれを「記憶と再生の物語」に昇華させたのである。