【社会】詩人・石川逸子さん「連行された 「慰安所」で/日本軍兵士に 斬られたのか/性病で病み死んでいったのか」

■「少女」を詠む
戸外の椅子に すわりつづける少女/秋の日も 真冬にも/さらさらと雪は降り/少女の黒髪に 膝のうえに 降りつもる/あなたは 故郷からはるかに遠い南の地で/爆撃に倒れたのか 飢え死んだのか/あるいは だまされて連行された 中国の「慰安所」で/日本軍兵士に逆らい 斬られたのか/うつされた性病で病み死んでいったのか
ーー「慰安婦」ではない 性奴隷でしたーー
辛くも生き残り 解放後も辛苦の生を送った/かつての少女たち 今 年老いたハルモニたちは/かつての自分のうら若い面影に/手をさしのべ 少女の髪の毛に降る雪を/そっと払いのける/韓国・ソウルの日本大使館前/ものいわず すわりつづける 少女/数万にもおよぶという 被害者たちの/悲憤を やわらかな胸に抱いて/すわりつづける 少女/なお 地球のあちこちで/起きつづける あまたの 少女たちへの陵辱にむかって/しっかと目を見開き/雪に濡れながら すわりつづける/少女の像
いま、2015年の12・28「日韓合意」に怒りを強める石川さん。