【アジアプレス・ネットワーク】不逞鮮人とは誰か~関東大震災下の朝鮮人虐殺を読む(1) 引き継がれてきたデマ
東京を焼き尽くす火炎を表紙にした『大正大震災大火災』(大日本雄弁会講談社)は、震災から1カ月月あまりで刊行され40万部のベストセラーとなった。表紙画は横山大観。大正12年(1923年)に起きた関東大震災から今年で99年。1世紀という時の経過にもかかわらず、いまだ封印されたままの過去がある。震災下に行われた朝鮮人虐殺事件の真相は、これまで一度として公式に調査されず、その原因の究明も責任の所在も犠牲者の数さえも曖昧なまま忘れられようとしている。