【朝日新聞/社説】東京都人権展 知事が招いた史実誤認 「主に在日コリアンの生きづらさに焦点が当たっている」
関東大震災の混乱下、多くの在日朝鮮人がデマによって軍や民間人に虐殺されたのは揺るがぬ歴史の事実だ。それをゆがめかねない事態が、東京都の人権行政の現場で起きた。都の委託を受けた外郭団体が美術家の飯山由貴さんに依頼した人権企画展で、上映が予定されていた映像作品に、都の人権部が待ったをかけた。作品は、戦前に都内の精神科病院に入院した朝鮮人患者の診療録を読み解き、虐殺事件を研究する歴史学者のインタビューなども収めた26分の映像だ。