【パプア・ニューギニア】マヌス島の豪・領外難民収容センター収容者が抗議暴動 スーダン人男性が治療懇願も断られ死亡
パプア・ニューギニア(PNG)のマヌス島にあるオーストラリア領外難民収容センターで難民認定希望者グループが抗議暴動、一時は警備員を追い出し、収容所を制圧した。グループは、収容されていたスーダン人男性の体調が優れず、センターの医療班に診察を頼んだが断られ続け、さらには収容されている他の人々も男性の診察と治療を要求したがこれも無視され、遂にスーダン人男性が死亡した事件に抗議したもの。ABC放送(電子版)が伝えた。
マヌス島に駐在するPNG警察のトーマス・レレポ巡査長は、「昨夜は、収容者の死亡をきっかけに特殊な事態になったが、その後、秩序は回復している」と発表した。12月22日、マヌス島収容センターのオスカー棟で、スーダン人のファイサル・イシャク・アフメド氏(27)が倒れ、23日に緊急治療のためブリスベンの病院に運ばれた。しかし、24日に死亡した。
連邦政府の移民国境警備省広報官は、「一件はQLD州検視法廷に送ったが疑惑はない」としている。これに対して、同センター収容者や難民支援団体の「Refugee Action Coalition」は、
「アフメド氏は何か月も病気で、診察と治療を懇願していたが仮病だとして断られ続けていた。彼は実際に病気だったのに」と発表している。収容者の一人、アブドゥル・アジズ・アダム氏(24)は、「アフメド氏は、腹部不快感、高血圧、熱病、心臓不調を訴え、International Health and Medical Services (IHMS)の運営する診療所で診察してくれるよう頼んでいたが、医者に診てもらえず、いつも看護士が診察するだけで、どこも悪いところはないと言われるが、自分が病気だと言うことは分かっていると死ぬ前まで語っていた。
どうしてこういうことが起きるのか、涙が止まらない。ここの体制は私たちを一人一人殺そうとしているのだ。私と60人ほどが連名でIHMSに手紙を書き、アフメド氏の治療をするよう要求したのだが」と語っている。日豪プレス