【社会】世田谷一家殺人事件、私は「真犯人」を知っている~事件を迷宮入りさせた警察の致命的失敗とマスコミの怠慢
「あの時は、絶対にこいつしか真犯人はいないと思った。それで、必死に行動確認や裏付け捜査に走ったんだが……」そう話すのは長い間、世田谷事件を担当してきた元捜査員だ。* * *
冒頭の元捜査員が言う「あの時」とは、事件発生から5年余りが経った06年初め頃のことだった。宮澤さん一家の交友関係を調べていた特捜本部は、泰子さんとにいなちゃん母娘の周辺に見え隠れする“ある男”の存在に注目し、連日にわたり行動確認するなど内偵捜査を行っていた。