【文化】幸徳秋水の新たな書簡発見 当局警戒し印刷製本依頼 [共同通信]
明治天皇暗殺を企てたとして、社会主義者が弾圧された大逆事件(1910年)で処刑された幸徳秋水(1871~1911年)が、発禁処分を警戒しながら著作の印刷製本を依頼した新たな書簡が見つかった。高知市立自由民権記念館への取材で23日、分かった。ロシアの無政府主義者クロポトキンの著作を翻訳した代表作「麺麭の略取」の出版をめぐるやりとりとみられ、大逆事件を研究する明治大の山泉進教授(社会思想史)は「当時の当局の厳しい弾圧の中で、何とか著作を世に出したいという必死さが伝わる価値のある史料」と話す。