【朝日新聞社説】大阪G20閉幕 安倍外交の限界見えた 長期的な戦略より政権維持の思惑が優先されるなら、その行き着く先は危うい
世界のリーダーを大阪に招き、安倍首相が議長を務めたG20サミットが終わった。直面する課題に確かな処方箋を示せたのか、首脳外交の華やかさに目を奪われることなく、その成果を冷徹に問わねばならない。採択された首脳宣言は、08年のG20サミット発足以来、明記されてきた「反保護主義」への言及が、昨年に続いて見送られ、「自由、公平、無差別な貿易と投資環境を実現するよう努力する」と記された。