【社会】万引きで22年間も“刑務所暮らし”、高齢者「クレプトマニア」の実態
新宿にある高級デパートの野菜売り場でのことだった。手に取ったトマト3個入りパックを、手提げ袋の中に忍ばせ、店を出た。「成功したと思いました。それがきっかけでお店の物は“とれる”んだって気づきました」目の前に座る81歳の京子さん(仮名)は、万引きに初めて手を染めた20年前をそう振り返る。グレーのジャケットにスラックスという、きっちりした身なりで丁寧に話す几帳面さからは、万引き常習犯という「裏の顔」はまったく想像できない。