不都合な事実としての「ドナルド・トランプ一家物語」
新型コロナウイルスという戦後最大の危機にどう対応するのかという課題は、世界の政治指導者の人間性を浮き彫りにしている。感染拡大の最中に東京オリンピック・パラリンピックに執着した安倍晋三首相や、「ちょっとした風邪」と現実から目を背けようとするブラジルのボルソナロ大統領。中でも飛び抜けて異様なのは、ウイルスの脅威を「完全にコントロールしている」と豪語しながら、世界最大の感染者数を抱えた後は自身のコントロールを失い、他人への責任転換に終始するトランプ米大統領の政治姿勢だろう。