ES細胞で国内初の治療、赤ちゃんの肝臓に注入
さまざまな細胞に成長する万能細胞の一つ、胚性幹細胞(ES細胞)が国内で初めて、実際の医療に利用された。生まれつきの重い肝臓の病気の赤ちゃんに、ES細胞から作った肝臓の細胞を注入する治験を、国立成育医療研究センター(東京)が実施した。赤ちゃんはその後、父親の肝臓の移植を受けて無事に退院した。失った組織や細胞の働きを、万能細胞を使って取り戻そうとする再生医療は、国内では人工多能性幹細胞(iPS細胞)が先行するが、今回のES細胞の治療利用で、「車の両輪」が本格的に動き出し、進展に弾みがつく。