【産経新聞】【門井慶喜の史々周国】諭吉の娘婿が四十代で見つけた人生の主題 岐阜県中津川市・賤母発電所
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いつだったか、そのあまりに露骨な題名につられて「帝国金満家一覧鑑」なるパンフレットを買ったことがある。書庫から出して見てみると、昭和五年五月五日発行、版元は東京市神田区栄町・松本幸盛堂。「定価十銭」とあるのは、本屋などで市販されていたのだろうか。パンフレットといっても私の肩幅より大きな一枚紙(がみ)で、四角い表のなかに、当時の金持ちの資産額、肩書、姓名がずらずら相撲の番付ふうにならべられている。