【福島】除染請け負い、1人日当3万5千円 沈む農村に沸いた特需
福島県の沿岸部と内陸部を分ける阿武隈山地。標高数百メートルの緩やかな山々に囲まれた高原地帯に、田村市の移(うつし)地区はある。JR山手線の内側より一回りほど小さな農村に約1850人が暮らし、特産品の葉タバコや、冷涼な気候を生かして野菜を栽培する。2011年3月11日、地区は震度5強の地震に襲われた。中心部で小さな縫製工場を営む石井鉄雄(73)は翌日、自宅のテレビで東に約35キロ離れた東京電力福島第一原発1号機が水素爆発したことを知る。