【考古学】邪馬台国の勢力圏は北部九州限定だったと物証から推測 橿原考古学研究所で研究を重ねてきた坂氏 『倭国の古代学』
■物証の推理から浮かぶ生々しさ
掲題書は、3世紀の邪馬台国から、6世紀の欽明大王までを取り扱う、古代倭国(日本)の通史だ。著者の坂(ばん)氏は、奈良県立橿原考古学研究所に勤務し、数々の遺跡を発掘しつつ研究を重ねてきた。坂氏は、関東から北部九州、そして朝鮮半島南部に及ぶ主要な遺跡(古墳や集落跡など)の、位置や規模や出土品から、そこに存在した権力の、年代と勢力範囲を推理する。