【中国・新疆ウイグル自治区の人権問題】空港で父は「行け」と叫んだ ウイグル族学者と娘、10年前の約束
イリハム・トフティさんの娘、ジュハル・イリハムさん=隅俊之撮影「アメリカには行きたくない。お父さんと一緒にいたい」。あの日、泣きじゃくる18歳の娘の肩を父は押した。「行け。行くんだ」。それは娘の未来を案じる父の愛情だったのだろう。中国・新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり、ノーベル平和賞の候補に毎年名前が挙がるウイグル族の経済学者、イリハム・トフティさん(53)の娘、ジュハル・イリハムさん(28)=米国在住=は、北京の空港で父と生き別れた。