【生態学/進化生物学】環境細菌から進化する共生細菌 日本列島の野外昆虫集団でとらえた共生進化過程
ポイント
•日本本土と南西諸島の害虫チャバネアオカメムシ集団では腸内共生細菌が異なることを発見• 南西諸島には培養可能な共生細菌や潜在的に共生能力をもつ環境細菌が存在
• 共生の起源と進化の理解や、害虫の環境適応機構の理解とその制御への貢献の可能性概要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)生物プロセス研究部門【研究部門長 田村 具博】
深津 武馬 首席研究員(兼)生物共生進化機構研究グループ 研究グループ長、細川 貴弘 元産総研特別研究員(現 九州大学 助教)らは、放送大学、琉球大学、沖縄科学技術大学院大学と協力して、腸内共生細菌が生存に必須な農業害虫のチャバネアオカメムシにおいて、北海道、本州、四国、九州等(以下「日本本土」という)の集団では共生細菌は単一種であるが、南西諸島では同じ集団中に複数種の共生細菌が共存することを発見した。