【東京新聞】前川喜平氏は、今は禁じ手の天下り問題で処分されたくらい部下の面倒見がよく、「ミスター文科省」と評された
高度経済成長を支えた官僚らの姿を活写した城山三郎さんの小説『官僚たちの夏』の主人公・風越(かざごし)信吾は、巧みに天下り先まで見つけて人心を握り、「ミスター通産省」と呼ばれた男だ▼「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」と公言し、官邸の意向に歯向かい左遷されたこともある▼国会運営に行き詰まり解散総選挙に打って出ようとした首相に、紙の供給を担当する課長として「総選挙をやられるとしても、そのため必要な紙の割当は、一切いたしません」と直言した。