【朝日新聞】戦前の軍国主義と密接な関係がある日の丸・君が代にどう向きあうかは、個人の歴史観や世界観と結びつく微妙な問題だ
憲法が定める思想・良心の自由の重みをわきまえぬ、不当な判決と言わざるを得ない。入学式や卒業式で君が代が流れる際、起立せずに戒告などの処分を受けた都立高校の元教職員22人が、それを理由に定年後の再雇用を拒まれたのは違法だと訴えた裁判で、最高裁はきのう原告側の敗訴を言い渡した。理由はこうだ。再雇用はいったん退職した人を改めて採用するもので、その決定にあたって何を重視するかは、雇う側の裁量に任される。