【原発】日本が原子力を放棄したら…「一国安全主義」では通らない難題
間もなく東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年になるが、事故の後遺症はいまだ癒えず、日本の原子力は逆境で難渋している。おまけに10月末の菅義偉首相の「温室効果ガス2050年実質ゼロ」宣言を受け、再生可能エネルギー・ブームが一段と加速し、今や原子力は瀕死(ひんし)の状態に追い込まれている。(外交評論家、エネルギー戦略研究会会長・金子熊夫)そもそも原子力抜きでは脱炭素化目標の達成は到底無理であるのに、首相も他の政治家たちも、世論を気にしてか、原子力の重要性を口にしようとはしない。