【西日本新聞/社説】安全保障戦略、戦後日本の「縛り」を一気に外すのか。軍拡し愛国心訴える一方で、中韓と関係改善の道筋見えぬ
政府は、外交と防衛政策の基本方針となる「国家安全保障戦略」を初めて決定した。同戦略は安倍晋三首相の指示で策定が進められていた。向こう10年の視野で、日本の安全保障の理念と戦略を示した重要な文書である。この戦略と、同時に決定された「防衛計画の大綱」や「中期防衛力整備計画」を合わせて読み込めば、中国の軍事的台頭や北朝鮮の核開発という地域情勢の変化に対応する形で、戦後日本の安全保障政策を大きく転換させよう-という安倍政権の強い意思が浮かび上がってくる。