【北方領土】探訪 防人の風景…択捉島・紗那郵便局、朽ちる「ソ連軍侵攻」発信地、「日本人の痕跡が消えてしまう…」
北海道根室市の北東約150キロに浮かぶ北方領土・択捉島。島の中心部、紗那(しゃな)の海岸線近くに朽ちた郵便局がある。6月28日、ビザなし交流訪問団で初めて訪れた島民2世の川村美奈子さん(61)は、複雑な思いで建物を見つめた。無線技士だった川村さんの父・川口広一(ひろいち)さんの職場。昭和20年8月、ポツダム宣言受諾後、日ソ中立条約を破ったソ連軍侵攻の緊急報は川口さんが本土に向けて打電した。