【朝日新聞】中国台頭は首相の言う通りだ。だが、安保法案を成立させ「多数派が絶対」という安倍政権の誤った民主主義観は追認はできない
安倍政権が、衆院の特別委員会で安全保障関連法案の採決を強行した。安倍首相にとっては、米議会で約束した法整備の「夏までの成就」に近づいたことになる。だが、ここに至ってもなお、法案に対する国民の納得は広がっていない。それはそうだろう。審議を重ねれば重ねるほど法案の矛盾があらわになり、疑問が膨らむ。首相自身が採決直前になっても「国民の理解が進んでいる状況ではない」と認めざるを得ないほどの惨状である。