【朝日新聞】TPPはRCEPや日中韓自由貿易協定など、中国が関わる通商交渉に刺激を与え、先導する役回りを担っている。頓挫は許されない
環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉が、物別れに終わった。参加12カ国の閣僚は今月中に再び会合を開く考えというが、今回の会合で掲げていた「大筋合意」にたどりつけなかった痛手は大きい。開始から5年余り、曲折を経てきた交渉は瀬戸際にあるが、TPPを漂流させるわけにはいかない。世界貿易機関(WTO)での自由化交渉が滞るなか、世界経済を引っ張るアジア太平洋地域で貿易や投資の自由化を進め、成長をさらに押し上げる。