【北朝鮮】北朝鮮国内にいながら処刑覚悟で金正恩一族の圧政を『告発』した作家がいた 幽霊が支配する檻とは
その短編小説集は、脱北者に託され、ひそかに北朝鮮から持ち出された。執筆から約20年の時をへて、韓国をはじめ、世界各国語で出版され、脚光を浴び始めた。作者は、北朝鮮で権威ある朝鮮作家同盟中央委員会に所属し、体制を賛美する立場のはずだった。だが、処刑も覚悟で描き出したのは、金(キム)一族という「幽霊」に支配され、「檻(おり)の中の動物」のような理不尽な暮らしを強いられ続けてきた住民たちの姿だった。