【富坂聰の真・人民日報】中国、南シナ海で「100対ゼロ完敗」のウラ 裁定はフィリピンの勝利でもない
「100対ゼロで中国の負け」-。7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)は、南シナ海問題をめぐりフィリピン政府が国連海洋法条約(以下、条約)に基づき行った提訴に対して裁定を下した。フィリピンの提訴は、人工島の埋め立ての合法性や中国が自国領土と主張する根拠となる「九段線」の合法性など15項目にわたったが、そのほぼ全てで中国側の主張が退けられたことで、国際社会から大きな注目を集めることとなった。