【黒田勝弘】核武装論の裏に「1994年のトラウマ」があった 「イスラエルに学べ」も飛び出す百家争鳴の韓国
韓国では近年、北朝鮮の核開発への対抗措置として「核武装すべきではないか?」との主張が出される。当初は小さな声で一過性だったが、今年に入り4回目(1月6日)、5回目(9月9日)と核実験が相次ぐに及び、その声は学者、研究者、マスコミ、政界へと広がりを見せ、街では署名運動さえ起きている。独自核武装論の背景には、北朝鮮の核軍事力への脅威感もさることながら、それよりも、北朝鮮問題ではいわば最大の当事者であるはずなのに、事態を動かす有効手段が何もないとの無力感と欲求不満がある。