【書評】編集委員・久保田るり子が読む『韓国は消滅への道にある』李度ヒョン著 激高する民族性を冷静考察
嫌韓本のたぐいではない。著者の李度●(イ・ドヒョン)氏は韓国保守言論界の重鎮であり、本書はジャーナリズム半世紀を経た反骨と憂国の書といえる。李氏は金大中氏の闇を告発し、17件もの告訴を受けて身ぐるみ財産を失った経験を持つが、ひるむことなく評論活動を続けてきた。いま「韓国の消滅」まで危惧しながら日本で出版する理由は、北朝鮮による政治工作が韓国各界に浸透し社会が左傾化した結果、闊達(かったつ)な筆を祖国では出せない現実のためである。