【朝日新聞/社説】日中首脳会談 関係再構築の出発点に あらゆるレベルで重層的な関係を深めたい
ロシアのウクライナ侵略が世界を揺るがし、アジア太平洋の情勢も不透明さを増すなか、日中両国は国際秩序の立て直しや地域の安定化に、ともに力を尽くさねばならない。今回の首脳同士の直接対話を出発点に、両国関係の再構築を望む。岸田首相と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が、訪問先のタイ・バンコクで会談した。一昨年春の習氏の国賓としての訪日はコロナ禍で延期となり、米中対立や台湾海峡をめぐる緊張もあって、互いの関係は冷え込んでいた。