【毎日新聞】倉重篤郎「選択的発信力とは…あらゆる事実から歴史家が自らの価値観で特定の事実を拾い上げ歴史を編むのである」
★水説:選択的発信力とは=倉重篤郎
むしろ、新聞、テレビなどメディア報道が日中関係悪化に一役買っているのではないか。中国報道最前線の特派員らがそんな問題意識でつづった本が出版された。「日中対立を超える『発信力』」(段躍中編・日本僑報社)だ。それによると、彼らの共通の悩みは、反日デモや尖閣問題を正確、詳細にニュース報道する記者としての使命感と、それが日本側の反発を呼び、その報道がさらに中国側を刺激し、結果的に日中間に不信と憎悪の連鎖を作ることのジレンマにある。