【原発/再エネ】原発「テロ対策」遅れなら、「再生エネのみ」試してみては?←期限延長などの妥協は原発の安全性を損ないかねない
2019/6/26(水)
YAHOO!JAPAN NEWS
・緑の最前線(68)】規制委の「原発停止」判断は妥当原子力規制委員会は4月下旬、テロ対策施設の建設が設置期限に間に合わない場合は原発の運転停止を求める方針を決めた現状だと関西、四国、九州の3電力の5原発9基は期限を迎える2020年以降に順次運転停止に追い込まれることになりそうだこのニュースを聞いて「なぜ突然テロと原発の関係が取りざたされるのか」と首を傾げる向きもおられるかも知れない実は2011年3月に東京電力福島第一原発が大津波で破壊され、放射性物質が周辺地域に拡散した放射能汚染から逃れるため多くの人が終の住処を追われたこの大事故の後、原発がテロに襲われ、同様の大事故が発生した場合どうすべきかをめぐって、政府、専門家の間でかなりホットな議論が展開された01年11月にアメリカで同時多発テロが発生したことなどを念頭に置き、大型航空機が衝突しても原子炉を遠隔操作で冷却できるような原発テロ対策の必要性が国際的にも強調されたテロ対策施設は「特定重大事故対処施設」と定義され、事故発生後にできた新規制基準で電力会社に設置が義務づけられた監督官庁の規制委員会は原子炉規制法に基づき期限までに設置できなければ原発の安全のために原発の運転停止を命ずることができるテロ対策施設は原子炉建屋から100メートル以上離れた場所に設置し、制御室や発電機、原子炉を冷やす水を送るポンプなどを備えることが義務づけられている1基で建設費や設備費などを含め500億~1200億円と巨額になりため、電力会社の経営にかなりの負担になる設置期限については当初、新基準ができた13年に稼働後一律5年以内に造ることが決められていたしかし原発の審査に時間がかかったため、15年に工事計画の認可後5年以内に設置することが新たに義務づけられたところがここにきてすでに稼働している9基の原発すべてが期限内の設置が難しいことが明らかになり、電力各社は規制委に期限延長を求めていたこれに対し規制委は「工事が大掛かりになるのは設計段階から分かっており、延長の理由にならない」と突っぱねた電力各社が一斉に期限延期を申請したのは、明らかに企業の甘えとしか言えまい原発再稼働の認可を受けてほっとしてしまい、テロ対策施設設置の優先度が低下してしまったのだろうさらに加えていえば延長を申請すればしぶしぶでも規制委が認めてくれるのでないかという読みがあったのも事実だとんでもない認識不足と言わざるを得ない
発生の確率は低いにしても一度起これば大惨事になることは福島原発事故からも明らかだできるだけ早く、二重,三重の安全対策を実施することが稼働の条件といえよう再稼働に同意した地元の自治体や住民の信頼を損なわないためにも各社はテロ対策の重要性を認識し、施設の早期完成に取り組むべきだっただがそれを一日延ばしで今日に至っているのは残念だ。