【物理】原子核の秩序「魔法数」の消失をフッ素同位体で発見 ー中性子数が過剰な極限原子核に現れる魔法数異常ー
■要点
・中性子数が陽子数の2倍を超えるフッ素同位体:フッ素28(28F)の準位構造を初めて明らかに・フッ素同位体28Fで魔法数20が消えている証拠を得た・魔法数の消失したフッ素同位体は、中性子星や宇宙における元素合成過程を理解する鍵ともなる・二重魔法数が期待される未知の同位体、酸素28(28O)の構造を解く手がかりに■概要
東京工業大学 理学院 物理学系の近藤洋介助教、中村隆司教授、理化学研究所 仁科加速器科学研究センターの大津秀暁チームリーダー、上坂友洋室長らは中性子数が陽子数の2倍以上の原子核「フッ素28」(28F、陽子数9、中性子数19)の準位構造[用語1]を初めて明らかにした。