「じつは10日前に神戸の刑務所を出たばかりで…」15杯目のワンカップ酒をすすりながら老人が語った“前科”
筑波大学を卒業後、就職せずにライターとなった筆者が、「新宿のホームレスの段ボール村」について卒論を書いたことをきっかけに最初の取材テーマに選んだのは、日雇い労働者が集う日本最大のドヤ街、大阪西成区のあいりん地区だった。元ヤクザに前科者、覚せい剤中毒者など、これまで出会わなかった人々と共に汗を流しながら働き、酒を飲み交わして笑って泣いた78日間の生活を綴った國友公司氏の著書『ルポ西成 78日間ドヤ街生活』(彩図社)が、2018年の単行本刊行以来、文庫版も合わせて5万部のロングセラーとなっている。