【京都】1世紀、学び舎見守るイチョウ 京都・崇仁の「無言の証人」
白い砂地に凜(りん)と立つ1本のイチョウの木。かつてその木のそばには、2010年に136年の歴史を閉じた京都市立崇仁小学校の学び舎(や)があった。学校があったのはJR京都駅に近い、同市下京区の崇仁地区。戦前は狭小で老朽化した住宅が密集し、住民は部落差別や貧困と闘ってきた。1920年に着任した伊東茂光校長は、子どもの自立を励ます手段として運動競技を重視したり、京都市で初めて給食を実施したりするなど当時としては斬新な教育手法を導入した。