【歴史】リフレ派の間で「田沼意次ブーム」蝦夷地の新田開発計画を再評価も…穢多非人7万人を移住労働させる採算度外視の荒唐無稽な計画
呉座勇一(国際日本文化研究センター助教)
(省略)
ただし、この巨額の国費を投入する国策プロジェクトはそもそも適切なのか、「税金の無駄遣い」になるのではないか、といった疑問の声も少なくない。私はラピダスをめぐるニュースや議論を見ていて、江戸後期の幕府老中だった田沼意次を想起した。田沼意次(1719~1788)は戦前戦後を通じて、賄賂を好む汚職政治家として、たいへん評判が悪かった。