熊本市が生活保護記録を改ざん 返還請求を取り消し、地裁
熊本市に住む生活保護受給者の男性(80)が、市から約50万円を返すよう求められたのを不服として市の決定取り消しを求めた行政訴訟の判決で熊本地裁は30日、「行政文書の記録票に改ざんがあった」と認め、違法な返還請求だったとして取り消した。返還額の算定段階で十分な指導をしていたかどうかが主な争点だった。遠藤浩太郎裁判長は「作成者が記録票を長期間、福祉事務所から持ち出していたことや、記載の不自然さを考えると、改ざんを加えたと言わざるを得ない」と信用性を否定し、指導が不十分だったと判断した。