【構造生物学】生命現象を支える化学反応の真の姿を解明 地球の窒素循環を担う酵素の制御が SACLA と SPring-8 の技術で可能に
本研究成果のポイント
•SACLA※1で放射線照射の影響のない正確な銅含有亜硝酸還元酵素※2の三次元分子構造を世界で初めて決定•フェムト秒(1000 兆分の 1 秒)レベルの時間精度で分子構造を観察する新技術を実証
•地球の窒素循環の制御につながる生命化学反応プロセス(プロトン共役電子移動※3)を解き明かす成果概要
大阪大学大学院工学研究科の溝端栄一講師、高輝度光科学研究センターXFEL 利用研究推進室の登野健介チームリーダー、理化学研究所放射光科学総合研究センターの岩田想グループディレクター等による国際合同研究チームは、X 線自由電子レーザー(XFEL)施設 SACLA を利用して、銅含有亜硝酸還元酵素の完全酸化型の立体構造を、銅原子の異常散乱効果※4を用いて世界で初めて決定し、プロトン共役電子移動の反応機構を解明することに成功しました。