【物理】KEKなど、存在するはずのない中性水素が半導体中に見られる理由を解明
KEKなど、存在するはずのない中性水素が半導体中に見られる理由を解明高エネルギー加速器研究機構(KEK)とJ-PARCセンターは10月6日、理論上で水素は、熱平衡状態で正イオン、負イオンいずれか一方の状態しか取れないことが予想される一方で、実験的には多くの材料中で中性状態が確認されているという数十年来の謎に対し、過去半世紀にわたり蓄積された酸化物半導体中の素粒子「ミュオン」(=水素の同位体と見なせる)の研究結果を精査することにより、このような中性状態が正イオン状態と対になって観測される、というこれまで見過ごされてきた事実に注目し、両者を理論的に予想される準安定なアクセプター状態とドナー状態の対に対応すると解釈することで、ほぼすべての実験結果を体系的に説明できるモデルを構築することに成功したと発表した。